愛知県名古屋市の不妊治療専門クリニック

不妊治療

AMH値で決める排卵誘発法

採卵するための「事前の準備」、「良好卵の育て方」をより丁寧に診て決めていくために、『おち夢クリニック名古屋』ではAMH(抗ミューラー管ホルモン)を院内で測定しています。AMH値とFSH(卵胞刺激ホルモン)値ならびに超音波検査で卵巣内に確認した小卵胞の数から、排卵誘発法などの治療方法や治療方針を判断しています。

1. 事前の準備(卵巣のリセット)

前周期、前々周期の卵巣のリセットのため、ピル投与・ストイックカウフマン療法の方法を、前周期のAMH値で判断しています。

2. 良好卵の育て方

採卵周期のAMH値で、どのような治療方法が最適なのか(完全自然周期:ドラッグフリー、レトロゾール単独周期、クロミフェン中刺激周期PPOS周期など)を選択します。

AMH(抗ミューラー管ホルモン)って何?

AMHとは、卵巣内にある前胞状卵胞の顆粒膜細胞から分泌されるホルモンです。

女性は、生まれつき200万個もの原子卵胞(卵子のおおもととなる細胞)を持って生まれてきます。原子卵胞は、生体活動を休止させた状態でストックされていますが、徐々に目覚め120日以上かけて卵子を排出(排卵)することのできる成熟卵胞にまで成長します。AMHを分泌する前胞状卵胞は、この成長の途中段階にある卵胞ですので、AMH値を測定することで、次周期以降に成長してくる成熟卵胞の数を予測することができるのです。

AMHは、女性の卵巣年齢を知る指標?

AMHは、卵巣内にある前胞状卵胞の顆粒膜細胞から分泌されるホルモンで、女性の卵巣年齢を知る指標となるとして、最近ではこの値によって「早く体外受精をした方がいいよ」とか「排卵誘発は、積極的にした方がいいよ」とか、または「閉経が近いから妊娠は難しいかもね…」と判断する医師もいるようです。

AMHは卵巣内にある前胞状卵胞の顆粒膜細胞から分泌されるホルモンですから、卵巣内にある前胞状卵胞数が多ければAMHの値は高く、少なければAMHの値は低くなります。つまり、前胞状卵胞数を多く持つ若い女性はAMHの値も高く、年齢を重ねるに従って数が減るためAMHの値は低くなる傾向にあることから「AMHの値は卵巣年齢の指標になる」と言われるのです。

しかし、AMHはすべての卵胞から分泌されている訳ではなく、「前胞状卵胞の顆粒膜細胞」から分泌されるホルモンです。原始卵胞は、一次卵胞、二次卵胞、そして、前胞状卵胞、胞状卵胞、成熟卵胞と成長し、この成熟卵胞から卵子が排出されるようになるまで実に120日以上もかかります。卵巣の中にはさまざまな成長ステージの卵胞があり、AMHが分泌される前胞状卵胞、胞状卵胞もあれば、それ以前のステージであるAMHが分泌されない二次卵胞、一次卵胞、原始卵胞もあります。

これらのことから、AMHの値が高ければAMHを分泌していない卵胞数も多いだろう、または低ければAMHを分泌していない卵胞数も少なくなっているのだろうと予測しているのです。これが卵巣年齢を知る指標となると言われるゆえんです。

ですから、AMHの値が低いよりも高い方がいいのは当然のことですが、ではAMHの値が低く、限りなくゼロに近い、またはゼロだったら閉経が近いということなのでしょうか?そして、妊娠のチャンスはないと見なされてしまうのでしょうか?

AMHの値がゼロや限りなくゼロに近くても

AMHの値が低い、限りなくゼロに近い、またはゼロであっても、AMHを分泌していない卵胞がゼロではない

AMHの値がゼロや限りなくゼロに近い状態は、よい状態ではないことは確かです。しかし、前胞状卵胞以外はAMHを分泌していません。ですから、今周期AMHの値が低い、限りなくゼロに近い、またはゼロであっても、AMHを分泌していない小さな卵胞があれば、それが成長してくることにより、何周期か後には前胞状卵胞にまで育ったものからAMHが分泌され、小さな幅ではあってもその値が上がっている可能性もあります。つまりはAMHの値が、今周期ゼロや限りなくゼロに近くても、AMHを分泌していない卵胞がゼロではないということです。

そのため治療の前周期のAMHの値が重要なポイントとなります。AMHの値は卵胞数に比例しますので、AMHの値が高い=卵胞数が多いことになりますから、排卵するまでに育つチャンスのある卵胞の数が多いことへつながります。しかし、少なければそのチャンスが少ない訳ですから、治療周期の途中でもしかしたら排卵までたどり着けずに終わってしまうことがあるかもしれません。ですから『おち夢クリニック名古屋』では、AMHの値をよく見極めて、1人ひとりに合ったより卵巣への負担の少ない方法、より確実に質のいい卵子を確保する方法を考え、処方する排卵誘発剤を選択しているのです。

チャンスが多いのなら、より強い排卵誘発剤を使って、たくさんの卵子を採ればいいんじゃない!?

おち夢クリニック名古屋の不妊治療のお手本は「自然妊娠」

「チャンスが多いのなら、より強い排卵誘発剤を使って、たくさんの卵子を採ればいいんじゃない!?」と考えるかもしれません。ただ、AMHの値が高くても、低くても、発育する卵胞のすべてが排卵に結びつくわけではありません。多くの卵胞は、発育の途中で成長を止めてしまい、やがて体に吸収されてしまいます。これは自然減少で誰にでも起こること、ヒトが進化の過程で選んできた1つの卵子を排卵し、1つが受精し、1つを妊娠するという生殖の歴史の現れなのかもしれません。

『おち夢クリニック名古屋』の不妊治療のお手本は「自然妊娠」です。そこから遠く離れたところに、安全で安心できる治療はありません。

また、「AMHの値が高ければ月経周期初期に確認できる胞状卵胞の数は多い」というケースが一般的ですが、では多ければいいのでしょうか?例えば、AMHの値が高く、胞状卵胞数がとても多いケースに多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)があります。この場合、AMHの値が高く、胞状卵胞数がとても多いのですが、排卵に結びつきづらい状態であれば妊娠は難しくなります。

私、40歳を過ぎています。でもFSHの値は正常だから、AMHも大丈夫でしょう?

FSHの値が大丈夫だからといって、AMHの値も大丈夫というわけではない

AMHは、何度もお話しているように前胞状卵胞の顆粒膜細胞から分泌されています。その頃から、これまでFSHに依存していなかった卵胞がFSHに依存して成長するようになります。FSHは下垂体から分泌されるホルモンです。例えば卵巣機能に問題がない場合には、FSHを100個出すと卵胞が十分に育っていたとしましょう。しかし、卵巣機能が低下してくるとFSHを200個、300個と出して、やっと卵胞が育つようになります。これは、年齢が高くなり、閉経が間近になると顕著に現れるようになります。当然、卵巣に残っている卵胞数が少ないのでAMHの値は低くなります。つまり、年齢を重ねて閉経が近づくにつれて、FSHの値は上がり、AMHの値が下がるのが一般的です。

しかし、年齢を重ねても卵巣機能に問題がなければFSHの値は正常です。年齢とFSH、AMHは、意外と相関しないもので、年齢が高くてもFSHは正常でAMHは低い、年齢が若くてもFSHは高くてAMHも低い、という方もいます。どの年代にも、ゼロやゼロに近い人がいるのです。それは、FSHは卵巣機能の状況を知るもの、AMHは前胞状卵胞の数を予測するものだからです。

卵巣予備能をFSHの値から知ることもできますが、FSHの場合、卵巣機能が本当に低くなってから、その値が上昇してくる傾向にあるため、FSHの値が高くなったときにはかなり卵巣機能が低下してしまっていることもあります。ところがAMHの値は、何周期も何年も前から少なくなっていくだろうことが予測できるので、妊娠を目指すためには大切な検査になるのです。

またAMHの値は排卵後が最も低く、月経3日目ぐらい、排卵直前、と月経周期内で変動することもわかっています。検査時期としては、月経3日目頃がいいでしょう。そして、今周期と来周期のAMHの値にも違いがあるでしょう。特にピルの服用や排卵誘発剤の使用などによりAMHの値は著しく変動することも覚えておきましょう。

AMHが低いと妊娠できないの!?

卵巣に残っている卵胞の数が多くても、少なくても、妊娠できるかどうかは、また別の問題。 「あなた、AMH高いからね。
お注射、いっぱい打ちましょう」と言われたら、ちょっと考えて!

AMHの値は、

  1. 前胞状卵胞から分泌されるホルモンで、この値から卵巣にある卵胞の数を予測するもの
  2. 卵巣そのものの機能とはイコールで結ぶことができないため、AMHの値が低くても卵巣機能に問題がないケースもあれば、AMHの値が高くても卵巣機能に問題があるケースもある

ということを前項までにお話してきました。
さて、「AMHの値が低いと卵胞数が少ないってことだから、妊娠できないんじゃないの?」と思うかもしれません。

ここで大切なことをお伝えしましょう。
AMHの値は胞状卵胞数を予測しているだけで、卵子の質を予測しているわけではありません。
AMHの値が高く、胞状卵胞の数が多いと予測されても「卵子の質」がよくなければ、妊娠が難しくなることもあるでしょう。AMHの値が低く、胞状卵胞の数が少ないと予測されても「卵子の質」がよければ、スムーズに妊娠、出産に結びつくケースもあるのです。

しかし、前胞状卵胞の数が少ないためにAMHの値が低くなるわけですから、卵巣に残る卵胞数も少ないだろうと予想します。そのため、前胞状卵胞の数が多く、AMHの値が高いときに比べると、妊娠にチャレンジできる回数が少ないということは言えるでしょう。

そこで大切になってくるのが、「卵巣を大事にすること」です。

私たちは、これまでにとても多くの患者さんを診療してきました。体外受精を成功に導く要は、やはり卵子の質にあります。よい卵子と出会うためには、卵巣を大事にしてきたかどうかが問題になりますし、大事にするかどうかも問題になります。多くの卵子を確保するために、卵胞を多く育てようと排卵誘発剤を使用した治療を受けていると卵巣はダメージを受けます。ダメージを受けると、質のいい卵子に出会うことが難しくなってしまうのです。

これまでタイミングをとっていても、妊娠しなかったという状況から卵子と精子が出合っていないのかな?と判断でき、そこで初めて体外受精が必要となりますが、卵子を確保するために「卵胞がいっぱいありそうだから、今のうちにたくさん採っておこう!」とか「残っている卵胞が少ないから、卵巣を積極的に刺激しましょう!」ということにはなりません。なぜなら、卵巣に残っている卵胞の数が多くても、少なくても、妊娠できるかどうかは、また別の問題も含んでいるからです。

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